木ごこち

キーワードは「 木ごこち」。

木と人のやさしい関係を「木ごこち」と名づけてみました。「着ごこち」や「居ごこち」などの意味も含んで、人の暮らしと環境の中で木がしっかりと生かされていて、安心と豊かさを感じられるような状態を「木ごこち」がいいと呼んでみたらどうだろうと考えました。

それは木を身近に感じてほしいという私たちの願いと、木を人と同じように大切に扱ってほしいという願いが込められています。また、木自身も水分を吸ったり吐いたりして「生きている」ことに、気づいてほしいという願いもあります。

「木ごこち」をキーワードにして、いくつかの面から考え、木のよさを再認識していただけたらと思います。

01.「木ごこち」は適材適所で作られる。

01.「木ごこち」は適材適所で作られる。

昔から「適材適所」という言葉があるように、木材にはそれぞれ固有の性質があり建物の使う部位に適した樹木を選んだり、「心材」「辺材」と呼ばれる部材をうまく活用することで、木のよさと家が共に、生きてくれることになります。

すなわち、土台にはヒノキ、青森ヒバ、米ヒバ等が適しており、柱には経年変化に強く寸法精度も高い、ヒノキ青森ヒバ、米ヒバ、スギが最適です。また下地材には、スギ、エゾマツが適しております。

心材とは赤味を帯びた機心に近い部分を指し、辺材は心材の外周部分を指し色合いが明るく淡い白太とも呼ばれる部分です。

心材は、土台、柱、梁、胴差しなどの構造材や、縁甲板、壁、羽目板、敷鴨井などの仕上げ造作材全般に使用され、辺材は主に野地坂、荒床、木ずり、ぬき、同縁など下地材全般に使用されますが、大径木からは辺材でも良質の造作材が取れるので、長押、廻り縁、さお縁、薄板などにも用いられます。

02.「木ごこち」は防夏、防寒に優れている。

02.「木ごこち」は防夏、防寒に優れている。

熱伝導率は水が1、木が0.5、鉄では105ということで、木は熱を伝えにくい材料であることが特徴です。

木の伝導率の速さは、水の半分、鉄の200分の1しかないわけです。このことは、寒暖の差が激しい気候には、木の家が最も適していることを示しています。外壁に使っても、内装に使っても夏の暑さを家に入れない、暖まった熱を外に逃がさないという効果があります。 このように基本的に木の素材を使うということは冷暖房のエネルギーコストを下げることに通じるわけです。

03.「木ごこち」は健康によい。

03.「木ごこち」は健康によい。

木にはアレルギーの原因となるダニやカビの発生を防ぐ性質があります。

また光を適度に吸収・反射させ、目に優しいと共に紫外線を吸収します。ヒノキ・米ヒバ等には、ほのかな香りと消臭作業があり、爽やかな気分をさそい、リラックスさせて、安眠効果にもなります。

04.「木ごこち」は肌にここちよい。

04.「木ごこち」は肌にここちよい。

鉄筋コンクリート造りの家に住んでいる方から、押し入れなどにカビが生えて困るということをよく聞きます。

木造住宅では湿気の多いこの北陸でも、あまり聞いたことがありません。それは木に湿気を調節するはたらき(吸放湿性)があるからで、室内の空気が湿ってくると、木材がその湿気を吸いとり、逆に空気が乾いてくると木材の中の水分を放出して、室内の湿気を高めてくれるからです。さらに風の流れを考えた設計をすることで、いつも肌にここちよい室内となります。

木材の湿気を調節するはたらきは試験した結果によると、72平方メートル(22坪)の広さから1.8リットル(1升)ビンで43本もの水分が調整されたといわれています。湿度は「不快指数」として数えられるように、快適性のバロメーターでもあるので、この調湿機能は木が持っている価値の最大のものといえるかもしれません。

05.「木ごこち」は長持ちに通じます。

05.「木ごこち」は長持ちに通じます。

木材は一般に腐りやすいと思われているようですが、雨もりや湿気さえ防げば耐久性は抜群で鉄やコンクリートよりも長持ちします。木は切り倒されてから、200~300年までの間に、切られた時より強度や堅さが2割ぐらい増すといわれています。法隆寺が、一部修理をしたといえ、1300年以上も保っていることはその証拠といえます。

このようにしっかりした構造材を使って建てた家は、50年でも100年でも寿命があります。

また寿命の点から言えば、基礎ではコンクリート造(鉄筋入り)の布基礎やベタ基礎にし、全体を一本化させることが望ましですし、家の形はできるだけ正方形や長方形などの単純な形が望ましいといえます。

これらは、耐震性、耐久性、耐風性を高くすることになり、雨漏りにも強くコストも抑えられることになります。

木材の種類

国産材

杉

日本特産の樹種で、樹高20~30m、直径60~100cm、ときに樹高45m、直径2mに達する常緑針葉の高木。

青森県以南の本州、四国、九州の屋久島まで分布する。ことに屋久杉、秋田、天竜、吉野、智頭(ちず)、日田(ひた)、魚梁瀬(やなせ)などが有名。北海道南部まで植栽され造林樹種の筆頭である。樹幹が通直で枝下が長く、枝は細い。辺材は白色、心材は淡紅色~暗赤褐色、春秋材の差は明瞭で、木理は通直、肌目は疎、やや香りがある。

能登ヒバ

能登ヒバ

アテは、植物学上ヒノキ科アスナロ属アスナロの変種であるヒノキアスナロの地方名で、一般には能登ビバと呼ばれる。青森ヒバ(天然生で石川県に移入される材は、クサマキといわれる)と同樹種である。石川県独特の造林機種で「県木」に指定されている。主な産地は輪島市、門前町。心材辺材ともに淡黄白色で優美である。ヒノキ材より堅いが加工容易で伸縮が少なく、殺菌性のあるヒノキチオールを含んでいて、耐朽、保存性が高い。シロアリの害に強いのが特徴である。

ヒノキ

ヒノキ

福島県東南部以南の本州、四国、九州に分布する。杉と共に日本の代表的な樹種で、木曽五木のひとつである。天然木としては、長野県木曽、岐阜県裏木曽および飛騨地方、和歌山県高野山などが署名で、造林木は、天龍、尾鷲(おわせ)、吉野、岐阜県東濃、岡山県美作(みまさか)などが良く知られている。強度、耐久性型が高く、また硬さは中程度で加工しやすく仕上げはきわめて良好である。水湿に耐え、世界でも屈指の良材で特に神社仏閣建築には欠くことができない。

内地カラマツ(国産)

内地カラマツ(国産)

北洋(ロシア)カラマツとは同属異種。天然木は宮城から静岡までと石川県の亜高山帯に限られ、日光、八ヶ岳等の天然林が有名。蓄積量は少ない。これに対して人工造林は30年ほどまえから中部、関東の山岳地帯と東北、北海道で盛んに行われている。

ロシア材

ロシアカラマツ(ダフリカカラマツ)

ロシアカラマツ(ダフリカカラマツ)

ロシア沿海州地帯に分布し、国産材は北海道、長野県を産地とする。辺材は白色、心材は褐色で辺材の境目が明瞭なのが特徴。年輪幅は狭いが、くっきりと浮かび上がっている。やや重硬で強度は高く、耐朽性は中程度である。土台、梁、桁などの構造材、また下地材、造作材にも使われる。

エゾマツ

エゾマツ

カラフト、沿海州、北海道に分布する。エゾマツ、トドマツ両者は北海道のものとそれぞれ同じ樹種で、エゾトド、あるいは単にエゾマツと称して一括して扱われている。心材は淡桃色、辺材は淡黄白色である。年輪幅は比較的均等で木理通直、肌目は緻密である。やや軽軟な木材であるが、郷土的性質は割合すぐれている。加工容易で表面仕上は良好である。主に垂木、間柱、造作材として使われる。

ロシアアカマツ

ロシアアカマツ

辺材は淡い黄白色~淡い赤色、心材は淡い褐色~赤褐色で、辺心材の境目はややはっきりしない。木理は通直、肌目は産地によって密~粗まで幅があり(シベリア産のものは生長が遅いため細かい)、脂条(やにすじ)がかなり多い。国産のアカマツと比べ、やや軽軟で強度も劣るが、大径木が得られやすい利点がある。耐朽性は中程度。

米加材

米ヒバ

米ヒバ

米材でヒノキ科。アラスカ南部からカナダのブリティッシュ・コロンビア州、米国ワシントン・オレゴン・カリフォルニア州北部に生育し、樹高35m、直径1.2mに達する常緑針葉の大高木。ベイヒバといっているが、ヒノキと同属種でヒバとは別属である。辺材は白色~淡黄色、心材は黄色、辺心材の境目および年輪界はやや不明瞭、木理は通直、肌目はきめ細かで、特有の香りがする。加工容易で、仕上げ良好、磨けば光沢が出る。水湿に強く、用途は、ヒバ材の代用として、土台などの建築材、器具材、土木材、枕木などに使われる。

米マツ

米マツ

カナダ、ブリティッシュコロンビア州からカリフォルニア州の太平洋沿岸などに分布する。心材は淡黄褐から赤褐色までの色で、辺材は淡い黄白色から赤色を帯びた白色をしている。外観は赤松に似ているが、マツ属ではない。一般的強度は国産赤松に匹敵し、材質はスギとマツの中間である。木理通直で肌目は粗く、樹脂成分が多い。強靭だが加工性は比較的よく、狂いも少ない。耐朽性は中程度。製品として優美なものをピーラーと称する。構造材、造作材、建具、家具、合板などの用途がある。

欧州材

ホワイトウッド

ホワイトウッド

ホワイトウッドは樹高が40m、胸高直径が1mほどになる大きな木で、特にルーマニアの産地では60mクラスの大きなものが生育しています。乾燥には時間はあまりかかりませんが、乾燥後も変形する傾向がやや見られるようです。しかし、現在は集成材とする事でこの欠点は補えるようになってきています。強度に関しては弾力性があまりなく、一般的に良材と呼ばれているものより、やや低いレベルだと言えます。特に曲げに対する適正がないので、曲げ加工には不向きです。切削加工については材が少し軟らかい事もあり、初心者でも容易に加工する事ができます。釘やネジを使った際も割れる危険性は低く、問題なく使用できます。耐久性はあまりなく、辺材部分は虫の害を受けやすいようです。また、湿気に対する耐性もやや低いと言えます。

オウシュウアカマツ

オウシュウアカマツ構造用集成材

古くから家具や内装材(床、壁)として利用されてきました。樹脂分が多く、粘り強く掛けにくいのが特徴。接着剤には非ホルマリン系で安全性が高く、濃い色がつかない水性高分子イソシアネート系樹脂(乳白色)を使用します。接着剤が目立たず、美観に優れた構造用集成材です。

耐火集成材

FRウッド

FRウッド

Rウッドは、従来の耐火木造技術とは異なり、木を見せた耐火木造建築物を実現する新技術です。国内で最も多いスギを採用し「薬剤注入が容易」というスギの特徴を生かし、難燃薬剤を注入することで耐火性能を確保しています。

耐火集成材事業とは

樹種別選択

金沢木材(モッキョー)ではお客様が「構造材を選択」できます。

構造材を選択できます。 通柱 1階管柱 2階管柱 小屋束 土台 大引 梁・桁 火打梁 母屋 棟木

通柱

大壁
  • 杉(KD)
  • レッドパイン集成
  • 米ヒバ
  • マツ
  • 120×120
  • 105×105

1階管柱

大壁
  • 杉(KD)
  • レッドパイン集成
  • 米ヒバ
  • ヒノキ
  • 105×105
  • 120×120

2階管柱

大壁
  • 杉(KD)
  • レッドパイン集成
  • 米ヒバ
  • ヒノキ
  • 105×105
  • 120×120

小屋束

  • 米マツ(GR)
  • 米ヒバ
  • 105×105
  • 120×120

土台

  • 米マツ(AAC)
  • 米ヒバ(GR)
  • ヒノキ
  • 105×105
  • 120×105
  • 120×120

火打土台

  • 米マツ(KD)
  • 米ヒバ(GR)
  • 90×45
  • 105×45

大引

  • 米マツ(KD)
  • 米ヒバ(GR)
  • ヒノキ
  • 90×90
  • 105×105

梁桁

  • レッドパイン集成
  • 米マツ(KD)
  • 米ヒバ(GR)
  • 混合(成300、長5M)
  • W=105
  • W=120
  • 基準 150
  • 梁成 180

火打梁

  • 米マツ(KO)
  • 金具火打
  • 90×90
  • 105×105

母屋

  • 米マツ(GR)
  • 105×105
  • 120×120

棟木

  • 米マツ(GR)
  • 105×105
  • 120×120

隅木・台木

  • 米マツ(KD)
  • 90×90
  • 105×105

※柱材は7000*150*150まで加工できます。(柱の寸法は、仕上り寸法を選択してください。)

※梁材は8000*180*600まで加工できます。(未乾燥材の梁は幅1.5mm、背3.0mm削ります。)

※材寸法及び樹種などが違う場合は記入してください。